KARTEとKARTE Craftでユーザー情報の活用の幅が広がる話 (前編)

<html><head></head><body><h2 id="はじめに">はじめに</h2>
前回の記事に続けての投稿になります！プレイドでCustomer Engineerをしております渡辺（<a href="https://twitter.com/ikmwtnb" target="_blank" rel="noreferrer">@ikmwtnb</a>）と申します！
突然ですが、プッシュ通知やメールなどのパーソナライズ、どのように実施されていますか？
他社が提供する/自社で管理するAPIのレスポンスの内容を含めてパーソナライズしたメッセージを送信したいと思ったことはないでしょうか？実はこういった要望はプレイドの社内でもお客様とのコミュニケーションに使いたいという声や、お客様からもよく聞かれる声だったりします。
今回は、<a href="https://ecosystem.plaid.co.jp/product/karte-craft" target="_blank" rel="noreferrer">KARTE Craft</a>と呼ばれる新機能を用いて天気情報APIとの連携を実装し、ユーザーがいる場所の天気予報の情報を用いて、プッシュ通知をパーソナライズする方法についてご紹介します。
<h2 id="KARTE Craftとは？">KARTE Craftとは？</h2>
最初に、KARTE Craft と呼ばれるKARTEの機能についてご紹介します。KARTE Craft とは、KARTE内で発生する状態の変化をトリガーとして、汎用のプログラムを実行できる機能です。端的に表現すると、KARTE内で提供するFaaS（Function as a Service）です。
<img src="https://ik.imagekit.io/plaid/1fa14615-5569-4d5d-adaa-06dae7b965f8/craft-overview.png" alt="craft-overview.png">
KARTE Craftでは現在、上記の図に記載したKARTE内外で発生するさまざまな出来事をトリガーに、Craft Functions に記載したNode.jsの任意のコードを実行することが可能になっています。
今回のようなAPIを利用したキャンペーンを実装したい、など高度な施策の要件が上がった際に、エンジニアが自由にコードを書いてKARTEで実行できるKARTE Craft は、今回のケースにまさにぴったりな機能となっています。
<h2 id="実装イメージ">実装イメージ</h2>
KARTE Craft を用いての天気情報APIと連携したプッシュ通知のパーソナライズは下記のような構成で実装します。 
（こちらの実装についてはあくまで一例となりますので、お客様ごとに実装されたい施策によって実装方針は異なります。実装に迷ったら、お気軽にお問い合わせください。）
<img src="https://ik.imagekit.io/plaid/56ce1060-abe7-49c3-b47d-4c1db4115647/%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%83%882023-04-0413.41.47.png" alt="スクリーンショット2023-04-0413.41.47.png">
処理の流れを説明するとは下記のようになります。
<ol>
<li>位置情報を含んだイベントがユーザーからKARTEに送信される</li>
<li>1のイベントをトリガーにCraft接客がトリガーされる</li>
<li>Craft Functions が起動する</li>
<li>天気情報APIに位置情報を送信する</li>
<li>天気情報APIから返却される天気予報を受け取る</li>
<li>Craft Functions がサーバーサイドAPI経由で、イベントとして天気予報の情報をユーザーデータに書き込む</li>
<li>プッシュ通知の接客（イベント応答接客）がトリガーされる</li>
<li>プッシュ通知が配信される（接客が表示される）</li>
</ol>
上記の処理の流れについて、実装の中でも特徴的な部分を中心に説明します。
<h2 id="Craftの設定">Craftの設定</h2>
本実装で大きな役割を果たすCraftですが、今回は下記のような緯度・経度を含む位置情報を含んだイベントをトリガーに起動されます。例えば、ユーザーの位置情報をアプリで取得し、KARTE for AppのSDK経由でKARTEに下記のようなイベント（<code>get_location</code>イベント）で送信することを想定しています。
<pre><code class="language-json hljs">"values": {
 "get_location": {
 "latitude": 35.6696559,
 "longtitude": 139.7639876,
 }
 }
</code></pre>
上記のような情報を受け取って、Craft Functions は処理を開始します。受け取るためには、Craft接客が必要になりますので、Craft接客の配信トリガーには上記の<code>get_location</code>イベントを設定します。
Craft Functions として設定するNode.jsのサンプルコードを公開しています。
<a href="https://github.com/plaidev/craft-codes/tree/main/craft-functions/fetch-open-weather" target="_blank" rel="noreferrer">craft-codes/craft-functions/fetch-open-weather at main · plaidev/craft-codes</a>
ここでは<a href="https://openweathermap.org/" target="_blank" rel="noreferrer">OpenWeatherMap</a>が提供している<a href="https://openweathermap.org/forecast5" target="_blank" rel="noreferrer">5 day weather forecast</a>（<code>api.openweathermap.org/data/2.5/forecast?</code>）を利用して、72時間後の天気を取得してその内容をKARTEに<code>weather_information</code>イベントのデータとして書き込みます。
このCraft内では、 
4. 天気情報APIに位置情報を送信する 
5. 天気情報APIから返却される天気予報を受け取る 
6. Craft Functions がサーバーサイドAPI経由で、イベントとして天気予報の情報をユーザーデータに書き込む 
という処理が実行されています。 
※KARTEの<a href="https://developers.karte.io/docs/create-api-v2-apps" target="_blank" rel="noreferrer">サーバーサイドAPIのTokenの発行方法</a>やOpenWeatherのAPI Keyの発行方法は当記事では省略致します。
<pre><code class="language-json hljs">"values": {
 "weather_information": {
 "latitude": "rainy",
 }
 }
</code></pre>
APIから取得してきた天気情報を上記のようなイベントデータ（<code>weather_information</code>）として書き込むことで、このあと設定するプッシュ通知のトリガーとコンテンツのパーソナライズに利用します。
<h2 id="プッシュ通知の配信">プッシュ通知の配信</h2>
最後にプッシュ通知の設定をします。プッシュ通知の接客の設定は下記のように設定します。
<ul>
<li>ターゲット配信機能を利用
<ul>
<li>イベント応答を選択し、<code>weather_information</code>を配信トリガーに設定</li>
<li>アクションの中身で、ユーザー情報変数で<code>weather_information.weather</code>をプッシュ通知のbodyに埋め込む。</li>
</ul>
</li>
</ul>
配信されるプッシュ通知のイメージとしては下記のようなものとなります。 
<img src="https://ik.imagekit.io/plaid/cafd57d2-7cf3-4869-b398-1a9b87a6e8cb/%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%83%882023-04-0418.43.04.png" alt="image"> 
赤枠の部分が、API経由で取得した天気予報状況になり、ユーザーがいる地点の3日後の天気の情報がプッシュ通知のBodyに表示されています。
<h2 id="最後に">最後に</h2>
この実装を応用して、例えば下記のような施策を実装することが可能となります。
<ul>
<li>夕方の天気が雨のユーザーにだけ、傘などの防雨グッズをリコメンド</li>
<li>週末の天気予報と関連した商品のリコメンド（晴れならピクニック用品など）</li>
<li>季節の移り変わりで急な天気の変化があるユーザーにだけ、季節性の強い商品をリコメンド（防寒具、日焼け止めなど）</li>
</ul>
天気情報のAPIに限らず、APIを用いた施策を実施したい際にはぜひKARTE Craft の利用を検討してみてください！
また、プレイドでは、ソリューションを一緒に作っていく仲間を募集しております！プレイドのテクノロジーを駆使し、お客様に新しい価値を提供できるソリューションを一緒に作っていきましょう！
<ul>
<li><a href="https://recruit.plaid.co.jp/requisitions/general-customer-engineer" target="_blank" rel="noreferrer">Customer Engineerの募集要項</a></li>
<li><a href="https://blog.plaid.co.jp/n/n6d87538d003f" target="_blank" rel="noreferrer">幅広く活用できるプロダクトの価値を顧客に届ける「カスタマーエンジニア」の道を選択した3人のキャリアを聞きました</a></li>
<li><a href="https://blog.plaid.co.jp/n/nd8a70f686885" target="_blank" rel="noreferrer">2協業案件のリードに、PdMとしての役割も。経験が複利で増えるカスタマーエンジニアの多面性</a></li>
</ul>
</body></html>

KARTE Craftと呼ばれる新機能を用いて天気情報APIとの連携を実装し、ユーザーがいる場所の天気予報の情報を用いて、プッシュ通知をパーソナライズする方法についてご紹介します。

天気情報を提供するAPIを用いてプッシュ通知の内容をパーソナライズする