こんにちは、Customer EngineerのShinです！
最近行った銀座のスープカレー屋さんが美味しすぎました。

さて、KARTE Messageはパーソナライズ配信を簡単にできるMAツールですが、ECサイト等でエンドユーザーの商品閲覧状況に合わせ、パーソナライズにしてメール施策を実施したいと思ったことはないでしょうか？？

今回は、KARTE Messageを使って、商品詳細閲覧イベントデータをもとにユーザーが直近閲覧した商品をパーソナライズして配信する方法をご紹介いたします。

想定するユースケース

「カートに入れる前に、商品を閲覧してECサイトから離脱してしまったユーザーに対して購買を促す」ことを想定しています。
ユーザーが興味を持った商品を訴求することで、購買につながる可能性が高くなると言えます。（参考：ECサイトにおける閲覧履歴を用いた購買に繋がる行動の変化検出）

全体像

処理の流れ

実現する処理の全体像は、以下の通りで、エンドユーザーの商品閲覧という行動に対して発火したイベントを元にして、データをDatahubで整形し、Messageで配信をするといった流れになっています。

all_process_flow

アウトプットイメージ

最終のアウトプットイメージは、以下のように、カラム形式で閲覧した商品の情報が表示されているものとなっています。

利用するKARTEのツール・必要な知識

利用するKARTEのツール
（ご利用のプランによって使えるツールが違うのでご確認ください）
- 「KARTE Insight」
- 「KARTE Message」
- 「KARTE Datahub」
必要な知識
- SQL
- 「Hundlbars構文」

実装手順

実装の手順は次の通りです。

「商品詳細ページ閲覧(view_item)」イベントを発火させる
クエリコレクションを使って元データを作成する
商品情報を含んだメール配信するリストを作成する
キャンペーンを作成する

順番に説明します。

1. 「商品詳細ページ閲覧(view_item)」イベントを発火させる

商品閲覧情報を取得するため、Insightで「商品詳細ページ閲覧(view_item)」イベントを発火させる必要があります。（既に実装済みの方は読み飛ばして2へ進んでください）

すべてのメニュー > Insight > イベントをクリックして、「Insight > イベント > ストアからインストール > eコマース > [商品詳細ページ閲覧]」 をインストールします。

別途、このイベントを発火させる必要があります。詳しくはサポートサイト > 閲覧商品情報を計測するをご覧ください。

以下のように、イベントが計測できていることを確認します。

2. クエリコレクションを使って元データを作成する

次に、1で設定したイベントをもとに商品情報を含んだユーザーのリストをDatahubを使って作成します。

すべてのメニュー > Datahub > クエリをクリックします。

今回、私が "閲覧した商品をパーソナライズメールで通知" という「クエリコレクション」を作成しました。

以下のクエリでは、view_itemイベントの中で、任意の期間に該当するイベントを抽出、最近閲覧した順で、上から最大表示商品数分取得し、メール配信するコンテンツ内で、商品情報を展開する必要があるので、RECORD型に整形しています。

WITH raw AS (
  SELECT
    sync_date
    , user_id
    , event_name
    , values
  FROM
    {% karte_event relative_period[0], relative_period[1] %}
  WHERE
    event_name = 'view_item'
), expansion_array AS (
  SELECT
    user_id
    , JSON_VALUE(values, '$.view_item.item_id') AS item_id
    , sync_date
    , JSON_VALUE(values, '$.view_item.brand') AS brand_name
    , JSON_VALUE(values, '$.view_item.brand_cd') AS brand_cd
    , JSON_VALUE(values, '$.view_item.name') AS name
    , JSON_VALUE(values, '$.view_item.price') AS price
    , JSON_VALUE(values, '$.view_item.item_url') AS item_url
    , JSON_VALUE(values, '$.view_item.item_image_url') AS item_image_url
    , JSON_VALUE(values, '$.view_item.l_category_name') AS l_category_name
    , JSON_VALUE(values, '$.view_item.s_category_name') AS s_category_name
    , JSON_VALUE(values, '$.view_item.l_category_cd') AS l_category_cd
    , JSON_VALUE(values, '$.view_item.s_category_cd') AS s_category_cd
    , JSON_VALUE(values, '$.view_item.favorite_num') AS favorite_num
    , JSON_VALUE(values, '$.view_item.review_num') AS review_num
    , ROW_NUMBER() OVER (PARTITION BY user_id, JSON_VALUE(values, '$.view_item.item_id') ORDER BY sync_date DESC) AS child_row_num
  FROM
    raw
), latest_item_data AS (
  SELECT 
    user_id
    , item_id
    , sync_date
    , brand_name
    , brand_cd
    , name
    , price
    , item_url
    , item_image_url
    , l_category_name
    , s_category_name
    , l_category_cd
    , s_category_cd
    , favorite_num
    , review_num
    , ROW_NUMBER() OVER (PARTITION BY user_id) AS new_row_num
  FROM expansion_array
  WHERE child_row_num = 1
), limit_data AS (
  SELECT * FROM latest_item_data
  WHERE
    new_row_num <= {{max_show_items_number}}
), mail_row_data AS (
  SELECT
    user_id
    , item_id
    , sync_date
    , brand_name
    , brand_cd
    , name
    , price
    , item_url
    , item_image_url
    , l_category_name
    , s_category_name
    , l_category_cd
    , s_category_cd
    , favorite_num
    , review_num
    , CASE
        WHEN MOD(new_row_num, {{mail_column_number}}) = 1 THEN true
        ELSE false
      END AS is_row_start
    , CASE
        WHEN MOD(new_row_num, {{mail_column_number}}) = 0 THEN true
        ELSE false
      END AS is_row_end
  FROM limit_data
)

SELECT
  user_id,
  ARRAY_AGG(
    STRUCT(
      item_id
      , sync_date
      , brand_name
      , brand_cd
      , name
      , price
      , item_url
      , item_image_url
      , l_category_name
      , s_category_name
      , l_category_cd
      , s_category_cd
      , favorite_num
      , review_num
      , is_row_start
      , is_row_end
    )
  ) AS item_arr
FROM
  mail_row_data
GROUP BY
  user_id

また、実際に配信することを想定し、以下の2つをパラメータから指定できるようにしました。

「最大表示商品数」でメールで表示する最大の商品数を任意指定
「カラム数」で配信するコンテンツの表示カラム数を任意指定
（こちらができるようにis_row_startとis_row_endというフィールドを追加しました）

relative_period:
  type: period
  label: 抽出期間
  default: past 30 days
  tooltip: 長くすると、クエリリソースを多く消費します
  value: past 30 days
max_show_items_number:
  type: number
  label: 最大表示商品数
  default: 3
  tooltip: 最大で何件の商品をメールに表示するかを設定できます
  value: 3
mail_column_number:
  type: number
  label: カラム数
  default: 3
  tooltip: メールで商品を表示するカラム数
  value: 3

下図は、カラム数が2・最大表示商品数が3のケースとなっています。

「作成 > コレクションから作成 > 閲覧した商品をパーソナライズメールで通知」を選択し、「このクエリを利用」 をクリックします。
基本的に、パラメータ設定で確認できる値を任意で変更するだけで良いでしょう。
クエリを実行して、実行結果が正しく返ってくることを確認します。

スクリーンショット0005-11-0815.36.12.png

3. 商品情報を含んだメール配信するリストを作成する

すべてのメニュー > Message β > リスト管理から、配信するリストを作成します。
詳細は、サポートサイトの「リストとは」をご参照ください。

4. キャンペーンを作成する

すべてのメニュー > Message β > キャンペーン管理をクリックします。
右上の「キャンペーンを作成」をクリックして、実際に配信するキャンペーンを作っていきます。

コンテンツ

「メール配信」を選択します

対象ユーザー

マスターリストは、user_id・mailが入っているリストを選択してください。
「さらに絞り込む」> 「リストを追加」 で先ほど3で作成した、リストを追加します。

アクション

ここが少し難しいポイントになります。
「アクションを追加」を押して、メールアクション編集ページを開きます。

「構造」から1カラムのものを追加します
「コンテンツ」から「HTML」をドラッグアンドドロップします。「コンテンツのプロパティ」を開いて以下にあるHTMLを追加します。

<table>
  <tr>
    {{#each view_items_area}}
      {{#if is_row_start}}
  <tr>
    {{/if}}
    <td style="padding: 3px;">
      <a href="{{ITEM_URL}}">
        <img width="100" src="https://agitated-lamport-d75515.demo-karte.io/{{ITEM_IMAGE_URL}}" alt={{NAME}} />
      </a>
      <p style="overflow-wrap: break-word;">{{NAME}}</p>
      <h3 style="overflow-wrap: break-word;">¥{{PRICE}}</h3>
    </td>
    {{#if is_row_end}}
  </tr>
  {{/if}}
  {{/each}}
</table>

こちらのコードには、以下の2つの「Hundlbars構文」を使っています。

each：繰り返し構文
if/else：条件文
eachを使ってRECORD型の商品情報を展開することと、if/elseを使ってカラムの数に応じて折り返し表現を実現しています。

埋め込み変数の指定からRECORD型のフィールドを紐付けします
プレビューで確認してみましょう
「プレビュー」をクリックして、想定通りのものが確認できれば完了です。

おわりに

お疲れ様でした。

今回はKARTE Messageを使って、商品詳細閲覧イベントデータをもとにユーザーが直近閲覧した商品をパーソナライズして配信する方法を紹介しました。

ユーザーのweb上の行動からメールのコンテンツをユーザーごとに変更する、というような複雑な施策をKARTEを使えば簡単に作成することができます。

ぜひ皆さんも、クエリコレクションから使ってみてください！

今後も、ソリューションブログで、マーケティング施策の幅が広がり結果的にエンドユーザーのCXを向上させられるように頑張ります。

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ユーザーがwebで閲覧した商品情報をメールに含めてKARTE Messageで配信してみた